記憶の期限
前日の続きです。
お食事会の中で、ある女性とお話しすることがありました。その方は、姑になる方と同居しています。そのおばあちゃまは、90代なのですが、どうも独身時代のころの記憶が残っているようです。
おばあちゃまのお母様(生きていれば、110歳を超えているでしょう)に会いたい、と言われ、もうなくなったよ、と家族が言うと、「え!?私、お葬式に行っていない」と大変な状態になったようなのです。今なら、直葬というものがありますが、あの当時はいくら嫁に行っていたといえ、母の葬式に参列しないとは考えにくいです。
忘れたうえに、ありもしない現実が横たわる感じがしました。
私も似たような感じです。母から、「お父さん、どうしてる?」と言われ、「もう亡くなったよ」とほぼ毎日答えています。母の場合は、そうか…としょんぼりしています。
記憶の期限(限界点といえばいいでしょうか)がだんだんと若いころへ近づいていくのか、と思いました。
親のお葬式、夫のお葬式、本来だったら覚えているはずのものを覚えていない。なんだか、切ない話だと思いました。かと言って、どうにも対処しようもない。認知症は、本人にとっても、家族にとっても切ない病のようなものだと感じました。